お題「邦画でも洋画でもアニメでも、泣けた!というレベルではなく、号泣した映画を教えてください。」
いやいや、そんな映画やないやろと軽い気持ちで夜中に録画しておいたのを観た。
ぐいぐい引き込まれて、ああ、身分違いの恋は成就しないとわかってるのに、
シェイクスピアがこの恋を作品に成就させるんだろうなぁ、とわかってるのに、
この切なさはなんだろう。
なんせテンポが良い、音楽が良い。
シェイクスピアの戯曲が劇中劇とストーリーの中で交錯して
私が観てるのはつくりごとなのかつくりごとの中のつくりごとなのか、
不思議な感覚。同時代の観客席に座らされたような気分。
えらい存在感のあるエリザベス一世まで登場して
なんとにぎやかな世界。
江戸時代の昔に、国も文化もちがうのに、
人の世のあれやこれやは胸をうつ。
やがて訪れる辛い別れは、観ている者にとっても
一度は経験しただろう、もしかしたら別の未来があったかもしれないけど
選ばなければならなかった決別。
苦い涙と後悔をかみしめながら
分かれた者からの愛情と祝福に浸って慟哭するが、
やがて前を向いて力強く歩いて行くヒロインは
かつての自分なのだ、
でも彼女の美しさとりりしさは永遠に作品とともに生きていくのだ
ということに少しうらやましさを感じながら
取り戻せない過去をこんなに美しくしてもらえたら
と思いながら滂沱の涙をしたたらせるのでした。
